運転代行を開業されようとしている方は、運転代行のシステムについては大体ご存知だと思います。
ここ何年間の間で飲酒運転が昔よりもかなり厳しく処罰されるようになり、運転代行業の需要は高まっております。
この運転代行業界は新規参入は意外と難しくなく、夫婦や友人同士で開業される方も多々おられます。
お酒を飲んだお客様だけでなく、ゴルフの送迎運転手や会社お抱えの運転手などとしても運転代行サービスを提供できますので、他社の運転代行会社との差別化で仕事の幅は広げられると思います。
開業のための必要な要件や資格はありますが、さほど難しくないので、下記に運転代行業開業の流れをご説明いたします。
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運転代行の開業申請方法
まずは警察署へ行き、運転代行業を開業したい旨を担当の方に伝えて、必要な書類の書き方や手続きの流れを説明してもらいましょう。
都道府県ごとに手続きの違いや
運転代行業申請者が個人の場合
運転代行開業を申請する者が20歳以上(成年)の場合、申請に必要な書類
- 申請書(警察署からもらえます)
- 戸籍の謄本若しくは抄本(外国人の方は住民票の写しが必要)
- 成年被後見人などに登記されていないことの証明書 ※1
- 運転代行任意保険(共済保険)の保険証書の写し ※2
- 随伴用車両の任意保険の保険証書や車検証の写し
運転代行開業を申請する者が20歳以下(未成年)の場合、申請に必要な書類
【運転代行業者を新規開業する場合】
- 申請書(警察署からもらえます)
- 戸籍の謄本若しくは抄本(外国人の方は住民票の写しが必要)
- 成年被後見人などに登記されていないことの証明書 ※1
- 運転代行任意保険(共済保険)の保険証書の写し ※2
- 随伴用車両の任意保険の保険証書や車検証の写し
- 未成年者登記簿の謄本
【運転代行業者の相続人となる場合】
- 未成年者登記簿の謄本
- 法定代理人の誓約書
- 被相続人の戸籍の謄本
- 法定代理人の戸籍の謄本または抄本
- 法定代理人の成年被後見人などに登記されていないことの証明書 ※1
運転代行業申請者が法人の場合
- 申請書(警察署からもらえます)
- 登記簿謄本
- 定款、またはこれに代わる書類
- 役員の氏名及び住所を記載した名簿
- 役員の戸籍の謄本もしくは抄本(外国人の方は住民票の写しが必要)
- 役員の成年被後見人などに登記されていないことの証明書 ※1
- 運転代行任意保険(共済保険)の保険証書の写し ※2
※1 認知症等の理由で判断能力が不十分になると、 保護や支援を受けることになります。保護や支援を受けることになると、成年被後見人に登記されます。
※2 平成20年10月から運転代行利用者(お客様)の自動車に係る車両保険(共済)の加入が義務化されました。
開業に必要な申請手数料
開業に必要な手数料は、申請者が個人・法人どちらの場合でも12,000円です。
万が一認定を受けることができなかった場合、認定申請手数料は返金されませんので、申請前に欠格要件に該当していないかを十分確認しましょう。
各種保険の最低必要な補償額
運転代行利用者(お客様)に対する保険の加入義務
必要な補償額については、下記の通りです。
- 対人賠償限度額: 8,000 万円以上
- 対物・車両賠償限度額: 200 万円以上
随伴車両の任意保険の加入義務
必要な補償額については、下記の通りです。
- 対人賠償限度額: 8,000 万円以上
- 対物賠償限度額: 200 万円以上
任意保険加入時に「車の使用目的」を「業務用」にする必要があります。
他にも、不担保条件などに留意して任意保険に加入するようにしましょう。
安全運転管理者になるために必要なもの
安全運転管理者は、申請に最低1人は必要です。
安全運転管理者を申請するために必要な書類
- 安全運転管理者等選任届出書
- 運転記録証明書(運転免許センターで発行可能)
- 安全運転管理者となる者の住民票の写し
- 安全運転管理者となる者の運転管理経験の経歴書(または安全運転管理者等資格認定申請書)
安全運転管理者になるための必要資格
- 運転管理実務経験2年以上
- 公安委員会の行う教習終了者(運転管理実務経験1年以上)
- 公安委員会の認定を受けた者
安全運転管理者になることができない者
- 公安委員会の安全運転管理者の解任命令により解任され、その日から2年を経過し
ていない者
欠格要件(運転代行を営むことができない者)
次に該当する場合は、運転代行業を営むことができません。
- 成年被後見人、もしくは被保佐人または破産者で、復権を得ない者。
- 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
- 運転代行業務により生じた利用者(お客様)または、その他の者の生命や財産の損害を賠償するための措置が国土交通省令で定める基準に適合していないと判断される者
- 法人の場合、役員に欠格要件に該当する者がいる場合。
次のいずれかの違反行為をした日から2年を経過していない者
- 酒気帯び・酒酔い運転。またはその指令、容認行為
- 気帯び・酒酔い運転をする者に車両提供をしたり、酒類提供や運転を要求
- 麻薬等運転・無免許運転を行った。またはその指令、容認行為
- 速度違反・過労運転の指令、容認行為
- 大型自動車等無資格運転・ 積載制限違反の指令、容認行為
- 交通事故の場合の救護措置義務違反(ひき逃げ)
- 自動車の使用制限命令違反
- 放置駐車行為の指令、容認行為
- 自動車運転代行業に関する営業停止命令、営業廃止命令に違反する行為をした者。
申請から認可が出るまでの期間
申請から認可が出るまでには概ね1か月~2か月かかります。
申請のタイミング次第では、期間が延びる可能性もあります。
揃える物や、必要な費用
随伴車両(必要費用:20万円~100万円前後)
随伴車両(お客様の車についていく運転代行車両)は準備する車種にもよりますが費用は軽自動車の場合、中古で20万円~。普通車で50万円~が目安でしょう。
基本的に軽自動車で運転代行を営んでいる業者が多いようです。
軽自動車を使用するメリットは、まず「狭い道にも入りやすい」ことが挙げられます。
お客様のご自宅までついて行く際に、狭い道に入ることが多々あると思われます。
お客様の車両が軽自動車で、運転代行の随伴車両が普通車だった場合、軽自動車しか通れない道を通る場合はその時点で随伴を中止せざるを得なくなります。
それに加えて税金や自動車保険料が安いなど、軽自動車のメリットは多々挙げられます。
逆に軽自動車ではなく、普通車を使うメリットとしては「安全性」です。
運転代行業者によっては、一日に数百キロ走行するので、常に事故の危険と隣り合わせです。
事故が起こった際は、丈夫さを考えると軽自動車を使用するより普通車のほうが安心でしょう。
燃費に関しては最近のハイブリッド車は軽自動車と同等かそれ以上の低燃費ですので、燃費のいい普通車を随伴車に導入する場合は問題はないでしょう。
随伴車を保管するための駐車場(必要費用:月3,000円~50,000円)
運転代行業を営むために必須な随伴車両ですが、それを保管する駐車場ももちろん必要です。
一般的には月極駐車場を借りるのが一般的ですが、地域によって月極駐車場代も様々です。
安い地域で3,000円~。都会の土地が高い場所ですと50,000円かそれ以上かかる場所もありますので、運転代行業を開業する地域で費用を抑えて借りれる場所を上手く探しましょう。
自動車保険・運転代行共済保険(必要費用:「各」月額10,000円前後)
平成20年10月1日から、運転代行利用者(お客様)の自動車に係る車両保険(共済)の加入が義務化されました。
平成28年10月1日から、随伴の自動車に係る任意保険の加入が義務化されました。
全国運転代行共済協同組合(https://www.daikokyosai.or.jp/)
ジェイ・ディ共済協同組合(http://www.jd-kyosai.com/)
人件費(必要費用:月額100,000円~300,000円)
人件費は固定給の場合は毎月決まった金額ですが、時給制などの固定の給料ではなく、売上に応じての歩合給を設けている運転代行業者が多いようです。
時給制の運転代行業者さんですと、平均時給700円~1,400円を目安に設定されているようです。
二種免許(前乗り)か一種免許(後乗り)で、給料面などの待遇も多少変わります。
歩合給の場合は、売上の25%~40%の間で設定されている場合が多いです。
運転代行を開業して間もない間は売上もさほど見込めないので、最初は赤字になることもありますが固定給が好ましいでしょう。
歩合給ですと売上が少なくて従業員が辞めていくことも十分あり得ますので、最初は赤字の場合が多いと思いますが、頑張って集客していきましょう。
ガソリン代(必要費用:月額50,000円前後)
営業するにあたって必ず必要なのがガソリンです。
毎月走行する距離にもよりますが、毎日営業するとして大まかに50,000円前後といったところでしょうか。
月間走行4,500km(1日あたり150km走行)すると仮定して、車の燃費が15km/lとすると、毎月必要なガソリンの量は・・・
4,500÷15=300リットル
毎月に必要なガソリン量が300リットルとして、ガソリンが1リットルあたり150円とすると、必要なガソリン代は・・・
300リットル×150=45,000円
毎月45,000円分のガソリン代が必要となりますね。
ガソリンは毎月必ず必要になる経費ですので、身近にあるガソリンスタンドで一番安値のスタンドを探して経費削減に努めるといいですね。