はじめに
飲み会後の帰宅する際の交通手段や、体調不良時の自家用車での移動。
多くの人々にとって、運転代行は安全で利便性の高い移動手段を確保するための重要なサービスとなっています。
では、この運転代行サービスとはどのようにして始まり、どのように進化してきたのでしょうか。
運転代行の始まりから現代に至るまでの歴史を追ってみましょう。
運転代行の起源
運転代行の起源は、1963年に富山県の会社が初めて運転代行のサービスを提供開始したといわれています。
都市部の発展と共に飲食店、バーやスナックなどが増え、飲酒後の移動手段として今まではタクシーにニーズがありましたが、公共交通機関が発展していない車社会の郊外では自家用車で飲みに行けることが必要とされており、運転代行にニーズが生まれました。
運転代行需要の拡大
1980年代に入ると、飲酒運転の取り締まりが強化される中で運転代行のニーズは一層高まりました。
参入障壁が少ないこともあり、多くの企業が参入し、地域ごとの特色を活かしたサービスが展開されるようになりました。
この時点では暴力団などの組織が運転代行業を営んでいるケースも多かったようです。
- 2002年:「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」というルールが設けられ、各都道府県の認可がないと営業することができなくなりました。このルールにより暴力団関係者やいわゆる白タク行為(随伴自動車にお客を乗車させる行為)で摘発された者は認可が下りなくなります。
- 2004年:お客の車を運転するドライバーには二種免許の取得が義務とされるようになりました。
技術の影響
2000年代には、携帯電話の普及とともに運転代行の予約や決済がデジタル化。
さらに2010年代にはウェブサイトやスマートフォンアプリを通じてのリアルタイムでの運転代行の配車依頼が可能となり、利用者の利便性が飛躍的に向上しました。
初めて運転代行を利用する人も、口コミやレビューなどを参考にするなどして安心して運転代行を探すことが可能になりました。
新型コロナウイルス感染症の流行
2020年、新型コロナウイルスの影響で人々の移動が制限される中、運転代行業者は大打撃を受けました。
日本政府の方針での時短営業、連日「夜の繁華街には行かないように」というメディアの報道もあり、運転代行業者の数は激減。
運転代行業者によっては「フードデリバリーサービス」の開始なども行っていたようです。
しかし、ステイホームなどの外出制限などの影響は想像以上にありました。
2023年5月より新型コロナウイルスは2類感染症から5類感染症に移行されてからは、人々は外に出る機会が多くなるとともに飲み会も増えていきますが、運転代行業者数の不足、ドライバー不足などの問題が発生し、新型コロナでの外出制限の弊害ともいえるような現状にあります。
運転代行業者が見つからないということで、飲酒運転をしてしまう事例も少なくないようです。
結論
運転代行サービスは、自家用車で飲み会などに行く際の必要なサービスとなりました。
特に郊外では、電車やバスがない地域もあり、車での移動が必須の場所では特に運転代行サービスは重宝されています。これからも安全で快適な移動を支えるため、その役割はさらに大きくなるでしょう。